〜ストレッチによって感覚(身体・動き・意識・心・知識)が変わる仕組み〜
ストレッチ後に、しゃがみ込みや股関節の曲げ伸ばしが楽になる。
これは現場でも、選手たちの変化としても、わたし自身の実感としても、何度も確認される現象です。
ただし、この変化を
「筋肉が伸びたから」
だけで説明してしまうと、現場で起きていることとズレが生じる場面があります。
ストレッチは「柔らかくする行為」ではない
ストレッチの中でも代表的で、イメージしやすいものとして、
ここでは開脚ストレッチとハムストリングスストレッチを例に挙げます。
これらのストレッチを適切に行うと、
その後のしゃがみ込みや股関節の曲げ伸ばしが楽になることは、
選手たちの変化や、自身の実感からも多く経験されるところです。
ただし、この変化を「筋肉が伸びたから」という説明だけで捉えてしまうと、
そこに現場感覚とのギャップが残ります。
ストレッチとは本来、単に筋を伸ばす行為というよりも、
関節・筋・神経に対して、ある種の「情報」が入力される行為
と捉えた方が、実感と合いやすい場面が多くあります。
外転・外旋+骨盤前傾という肢位の意味
開脚ストレッチを行う際には、次の要素が欠かせません。
- 骨盤の前傾
- 大腿骨の外転・外旋
これらを意識しながら丁寧に行うことで、
股関節にとって比較的ストレスの少ない位置関係がつくられ、
大腿骨頭は寛骨臼内で安定しやすくなります。
この肢位では、次の条件が揃いやすくなります。
- 過剰な圧縮や剪断が起きにくい
- 股関節周囲の筋や神経が、防御的に緊張しにくい
結果として、
「この角度であれば大きな問題は起きにくい」
という前提が身体側に共有され、
その後の動作が楽に感じられるケースが多く見られるのです。
その②につづく
この後は、ストレッチ中に起きる痛み刺激や戻り(リセット)がなぜ起きるのか、
そして「定着」に時間がかかる理由を、もう一段深く整理していきます。
