国家資格保有者としての5つの心得
わたしは、はり師・きゅう師として、そしてコンディショニングコーチとして、以下の5つの姿勢を大切にしています。
1. 勝手な診断はしません
診断は医師の専門領域です。必要な場合は、必ず医療機関の受診をおすすめします。
2. 根拠なく「治る」とは言いません
たとえ改善が期待できる場合でも、その根拠と経過を丁寧にお伝えします。
3. 医師による検査や診察をすすめます
施術の範囲を超える可能性があると判断した際は、速やかに受診を提案します。
4. 施術前後・施術中も“除外評価”を行います
施術を始める前はもちろん、施術中の反応や変化を見ながら、
「いまの方針は適切か?」を常に問い直し、必要があれば施術方針を見直します。
5. 施術中の“気づき”を大切にします
話して、触れて、観て、動かして。
わずかな異変のサインも見逃さないよう、丁寧に向き合っています。
除外評価とは?
「この症状は、本当に施術して大丈夫なのか?」
「重大な疾患の“疑い”はないか?」
これらを見極めるために行う、大切なチェックです。
チェック結果や施術の経過を参考に、
疑わしい不具合の中から、否定できたものをひとつずつ消去していきます。
これは医師の診断とは異なりますが、施術の安全性を高め、“守る”ことにつながる重要なステップです。
除外評価は施術前だけでなく、施術中にも継続的に行います。
身体の反応を見ながら問い直し、必要があれば施術方針を見直すことも含まれます。
施術の目的について
施術とは、“回復を支える・整える・変化を促す”ための働きかけです。
重大なリスクを見逃さず、必要な判断を行いながら、
国家資格者として、誠実に対応しています。
補足:法律に基づく立場について
- 診断は医師のみが行える行為です(医師法 第17条)
- はり師・きゅう師などの国家資格者であっても、診断名を断定することはできません
- 国家資格がない方は、施術自体が法律で認められていません(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律)
施術は、「改善を促す」ことだけが目的ではありません。
“守るため”の判断力と姿勢があってこそ、信頼される技術になる。
私はそう考えています。