Epoch Workshopの哲学 〜更新し続ける知と実践の場〜
わたしが行うコンディショニングには、明確な根拠があります。筋肉や関節の構造、神経の走行、呼吸や循環のしくみ――これらはすべて、解剖学・生理学・運動学といった体系的な知識によって裏づけられています。
これらの基礎知識は、学ぶ上で欠かすことのできない大前提であり、わたしは常にその土台を丁寧に扱います。しかし同時に、こうも考えています。
知識もまた、「絶対」ではなく「更新されるもの」
解剖学や生理学もまた、時代とともに変化してきた学問です。ひとつの論文が注目され、学会で議論され、教科書に反映され、ネット上に「常識」として並ぶころには、それはすでに“過去のもの”である可能性もあります。
だからこそ、外の情報と自分自身の感覚の両方に向き合いながら、日々問い直し、選び直し、学び直す姿勢が必要です。
エラーに気づくこと、それがセッションの意味
現場ではしばしば、教科書どおりにはいかない出来事が起こります。選手の動きが理屈に合わない、うまく伝えたつもりでも伝わらない、正しい方法が結果につながらない。こうした“ズレ”は、単なる例外ではなく、「人間である」ことの本質的な一面かもしれません。
わたしが行うセッションとは、その“エラーに気づくための場”であり、選手自身の内側で起きている「意味づけ」や「価値判断」に、静かにアプローチする時間です。

知識 × 感性 × 意識が響き合うセッション
わたしが提供するのは、「正解」ではありません。むしろ、「問い直す力」や「感じる力」、「選び直す自由」を引き出すことに価値を置いています。
そのためには、解剖学や運動学といった“見える知識”だけでなく、意識や感情といった“見えにくい内面”にも目を向ける必要があります。そしてそれらは、指導者自身の意識や魂によって届けられるものです。
生きて学び続けること、それが出発点
知識は常に更新されます。情報は、時に正しく、時に限定的で、時に偏りもある。だからこそ、わたしは外の情報と自分自身の感覚の両方に向き合いながら、問い直し、選び直し、学び直していきます。
このEpoch Workshopの哲学は、わたしがこの仕事を続ける限り、そして生きている限り、常に書き加え、書き換え、深めていくものです。
それは“未完成であることを恐れず、更新し続けることに意味がある”という信念でもあります。その道の途中で、誰かと出会い、共に時間を過ごし、気づきを分かち合えるなら――それがこの仕事の一番の喜びです。
