チーム・セッションのあと
◎ 個別施術のきっかけ
全体セッションが終了したあと、2年生の選手が意を決したように相談に来られました。
主たる訴えは腰痛でしたが、実際に観てみると、足関節・首・お腹・手関節と、不具合のある部位は全身に広がっていました。特にお腹の硬さが顕著にみられました。
◎ 医療機関での診断歴
整形外科では「椎間関節性腰痛」と診断され、他院では「すべり症の可能性」も示唆されていたとのことでした。
確かに腰部に器質的な要因が存在すると推測されますが、足関節のズレや、首の曲げ伸ばしの不自由、さらには立ち姿勢の崩れなど──全身に力みや歪みが波及している様子がはっきりと見て取れました。
◎ 本人からの申告
施術中、本人から「過敏性腸症候群と診断されている」との告白がありました。
さらに「お腹の痛みが強いと下半身が極端に重くなり、きちんと動けなくなる」との説明も受けました。
これは、過去に対応した女子高校生選手の症例とも重なり、内臓の不調と腰痛・全身不具合の強い関連をあらためて実感するものでした。
◎ 施術と反応
症状と関連性を丁寧に説明し、本人の理解を得たうえで施術を進めました。
お腹の痛みに関しては短期での改善は難しいと予想されましたが、施術後には立ち姿や首の可動に明らかな改善が見られ、本人の表情も大きく変わりました。
「お腹のこと…誰にも分かってもらえないので…本当に良かったです。ありがとうございます。」
◎ 今後に向けて
・継続的に施術を行っていく
・少しずつ改善していける見込みがあることの共有
・伝達した立ち方などのポイントを意識して日常生活を送る
◎ まとめ
最後に本人から発せられた言葉には、心の底からの安堵と感謝が込められていました。
ヘッドコーチをはじめとして、各コーチの方々も、なかなかここまで介入することは難しいものです。
また、選手たちもさまざまな心境や事情から、こうした深い話を自ら打ち明けるのは容易ではありません。
その双方の気持ちや立場がよく分かるからこそ、わたしの立場(コンディショニング・コーチ、はりきゅう師)でできることは数多くあると感じます。
そういう点から見ても、隠れたものや表面化しているもの、複雑な事情のなかで、きつさや辛さを抱えている選手たちが多いことを実感します。
今回の症例を通して、そのことをあらためて強く感じました。
一人ひとりに誠実に、丁寧に向き合うこと。
その姿勢をこれからも大切にしていきたいと思います。