受傷時の対応として長く信じられてきた
「RICE(安静・冷却・圧迫・挙上)」。
その後「POLICE(保護と最適負荷)」、そして2019年には最新のPEACE & LOVEが提唱されました。
このPEACE & LOVEは、受傷直後(PEACE)と回復期(LOVE)を分けて考え、
特に回復期の要素としてOptimism(楽観的心構え)を正式に加えています。
PEACE(急性期対応)
- Protection(保護)
- Elevation(挙上)
- Avoid anti-inflammatories(抗炎症薬を避ける)
- Compression(圧迫)
- Education(教育)
LOVE(回復期対応)
- Load(負荷)
- Optimism(楽観的心構え)
- Vascularisation(血流促進)
- Exercise(運動療法)
ご覧いただくと分かる通り、このPEACE & LOVEにはIce(冷却)が含まれていません。
これは、冷却が必ずしも回復を早めるわけではなく、場合によっては自然治癒のプロセスを妨げる可能性があるという近年の科学的見解によるものです。
さらに注目すべきは、Optimism(楽観的心構え)です。
これは「気の持ちよう」という軽い話ではなく、科学的に裏づけられた要素です。
前向きな意識は、
・回復期の行動量を増やし
・必要な負荷への移行を促し
・再発や慢性化のリスクを下げます
逆に、恐怖や不安に偏った意識は、
・過剰な安静
・筋・関節機能の低下
・回復遅延
を招きます。
コンディショニングにおける「意識」の位置づけ
Epochのコンディショニングでは、身体操作や筋力だけでなく、意識の質を中心に据えています。
それは、どれだけ身体的な調整やトレーニングを行っても、意識が伴わなければ結果が定着しにくいからです。
・どこに注意を向けるのか
・どのような感覚を拾うのか
・どう解釈して行動に変えるのか
こうした「意識の向け方」は、動きの質や学習効率を大きく左右します。
そしてそれは、受傷後の回復スピードだけでなく、ケガの予防やパフォーマンス向上にも直結します。
PEACE & LOVEが示す“Optimism”は、まさにこの考えを科学的に裏づけるものです。
ただし、PEACE & LOVEもまた、変わっていく過程のひとつです。
新しい指針だからといって、盲目的・脊髄反射的に適用するのではなく、
背景や限界を理解し、その時々の状況に合わせて選び取ることが大切だと感じています。
だからこそ、日常のトレーニングや予防の段階から意識を育てる──
これが、Epochのコンディショニングの核であり、最も大切にしていることです。
