いきなりですが、動画を題材に、現在頻繁に行っているWEBコンディショニングの状況説明からはじめてみたいと思います。
受け手側は、高校生男子バスケットボールチームの選手たちです。
このチームには長年関わらせていただいております。
わたしはパソコンとスマホを使用しています。
スマホは、三脚につけて主に自分を写すカメラとしての役割です。
パソコンは、デスクの上で主に選手全体の様子を見る画面としての役割にしています(スマホだと最大4人までしか一度に見ることができないため)。
この動画の場合、前半では動作に関わることについて、後半では身体に関わること(今回はたまたま肘)について指示や解説を行っています。
なお、ここでの見解はあくまでわたしの考えとなります。
さて、全体画面の真ん中の1番上にわたしが写っています。
選手側のスマホやタブレットの画面では、おそらくわたしのみを写して、それを見ながら実施しているものと思います。
わたしは、カメラ写りなども考慮して、位置などを変えながら試技をします。
この動画のように小さな動作のもののときは、試技をしながらあれこれ細かい説明もします。
例えばこの動作で言いますと、
◎四つ這いの際、手は肩の真下、ひざは股関節の真下
◎骨盤はいわゆるニュートラル
◎頭や首が落ちないように
◎肩は開きすぎず、寄せすぎず
◎鎖骨を横に広げるようにしながら、首は長く
◎鼻から背中と横に向かって息を吸う
◎細く息を吐きなぎらおへその下を薄くしていく
◎息を吐きながらしっぽを少し前に向けるように動かす
◎そうすると骨盤が少し後傾に動いて、若干腰が丸くなる
◎元に戻して、繰り返す
このようなことを、数十秒間で伝えながら試技をしていきます(もちろん違うことを言うときもあります)。
いわゆるビジュアル(動作)とバーバル(言葉)によるキューイング(指示)です。
一通りキューイングを行ってから、選手たちに取り組んでもらいます(種目によっては、選手たちにわたしの動作と同時に取り組んでもらうものもあります)。選手によっては、キューイングを聞きながらやり始める人もいます。
わたしは、パソコンの画面の前に移動して、あらためて言葉で伝達をしながら、選手たちの姿勢や小さな動きを確認します。
WEBコンディショニングでは、2時間以上、小さな動きから大きな動きまで、様々な種目でこれを繰り返しているような流れになります。
では、このやり取り、特に小さな動きへの取り組みを見てどう思われるか?
先日、大変お世話になっていて敬愛する先輩から、動画の感想として、「一方通行の感が大、参加者とのコミュニケーションが欲しい」とのお言葉をいただきました。
それについて、わたしの考えや実態を先輩にお伝えしましたが、取り組みについてあらためて考えるきっかけをいただくことができました。
本当にありがたいことです。
あ〜、そっか。少しずつ分かってくださる人も増えてきたと思っていたけれど、それはやはりこちらの勘違いで、やはり普通はそう見えるんだな…とも感じました。
そして、以前のことを思い出しもしました。
前職時代に、ボスがあれこれきちんと説明し、選手たちはそれを聞きながら股関節や体幹部の小さな動きに取り組んでいる…といった動画をFacebookにアップしたことがあったのですが、それをご覧になった見ず知らずの方が、「すげ〜つまらなさそう。修行みたいだな笑笑」といったご感想をつけてシェアなさっていたことがありました。その時も素直になるほど…と思って、ご指摘などありがとうございますといった感じで丁寧に返信をお送りしました(ちなみにその方は、なぜか記事を消してどこかへ行ってしまいました)。
そんなことも思い出し、なぜこういう雰囲気での取り組みになるのか?ということを説明していかないと、きちんと取り組んでいる選手が何もしていないように見られてしまう、場合によってはバカにされてしまう…それでは勿体ないな、申し訳ないな、と考えました。
例えば、この動画の状況で言うと、聞こえるのはほとんどわたしの声です。
しかし画面の向こう側で選手たちは、細かな指示を聞きながら、意識を整えて、
姿勢や動きを修正しながら小さな動きをしています。
言葉で返事はしていませんが、このこと自体が返事と言えるのです。
出来てる、出来てないではなく、取り組んでいるのか、いないのかが重要です。
また、実際に同じ場にいない、画面越しの状況にも関わらず、こういう小さな動きに対して、こういったことの専門家ではない高校生のバスケットボール選手が(おおむね)真摯に取り組んでいるということも、一方通行であれば成り立たないと思います。
これまでの現場での取り組みによって生み出された、お互いの成果とも言えると考えられるのです。
②へ続きます(近々アップ予定です)。