ある日、指導チームの体育館に到着して間も無く…。
「冨樫さん、これ観てくださいよ!」
と言いながら、監督先生が上記の動画を観せてくださいました。
そこには、先日足首の動きが変わった選手(身長170cm台)の姿が映っていました(そのときの記事はこちらから)。
なお、その時の取り組みや変化を、監督先生もご覧になっていたからこそ、この選手の場面をわたしに観せてくださったのだと思います。
動画を観て、
「いや〜、良いですね〜。素晴らしい!」
と言ったところ、
「最近は、こういう場面が本当にたくさんありますよ。」
と嬉しそうに教えてくれました。
さらに続けて、
「こういう風にプレーで表現するために、その一歩として例えば足首やお腹の調整から進めているわけですから…。それにしてもしっかり取り組んでいますし、変わってきて良かったです。」
と言ったわたしの言葉に、
「本当にその通りですよね。しゃがみ込み選手権のために足首調整したわけじゃないですからね笑笑」
とこれまた笑顔で答えてくれました。
これは、コンディショニングで行っていることのほんの一端です。
なお、この動き一つとっても、すばやさ・爆発的ジャンプ力・コンタクト力・身体バランスといった多分な要素があります。
それらを細かく分解したり、いくつか繋げたりしながら進めているのがコンディショニングというわけです。
例えば…。
◎足首の調整や小さな動きから進める…そこへ他の要素を組み入れながら全体を構築していく。
◎その過程において起きている小さな変化(=こちらには分かるものの、本人的にはなかなか気づかないことが多いもの)を、本人が少しでも掴むまで、手を変え品を変えつつ粘り強くアプローチする。
◎そうして本人の感覚(身体+動き+意識)が高まってくると、このようなかたちでプレーとして表現されるようになる。
◎付随して当然ながら怪我も減り、心身ともにしなやかで強い状態で上級生になる。
という流れです。
これまで、このような経過を辿るチームや選手を数えきれないほど観させてもらってきました。
しかし、それぞれのチームや選手で経過の道のりやアプローチが違うため、変化をしたチームや選手を観るのは毎回新鮮な気持ちになると同時に、毎回感動します。
このような取り組みを遠回りと感じるかどうか…。
もはやそれは、それぞれの人生観の違いと言っても差し支えないと思っています(その前に、理解や想像が繋がらない方のほうが圧倒的に多いのが実態でもありますが…)。
以前に、ある先生がおっしゃってくれた、
「結局さ…こういう取り組みが一番近道なんだよね。これだけ、プレーだけじゃなく、根本から変わるのだから。」
という言葉をまた思い出しました。
さて、この日のセッションでも、3年生を中心に自分たちでどんどん取り組んでいく姿を観せてくれました。
それをご覧になっていた監督先生が帰り道の際に、
「ちゃんとなるもんですね…。入ってきた時はどうなることか…と心配しましたが…。」
という感想をおっしゃっていました。
引き続き丁寧に進めてまいります。