あとがき

「感じる力」は、生きる力そのものだと、わたしは思います。

ここな各章に綴ってきたのは、
“感覚受容器”という専門的な言葉を通して、
本当は誰もが持っている「からだとの対話の入り口」についてでした。

強くなること
速くなること
上手くなること——

そうした目に見える成長ももちろん大切ですが、
わたしが今、いちばん大切だと感じているのは、
“深く確かなもの”に耳を傾ける姿勢です。

派手ではなくても、
目立たなくても、
深く確かな感覚に気づけたとき、
人は静かに、大きく変わっていくことができます。

この冊子を読んでくださったあなたが、
ご自身の身体や感覚と、もう一度丁寧に向き合おうと感じてくださったなら、
それは何よりの喜びです。

感覚は、いつもそこに在り続けています。
あなたがふたたび気づいてくれるその瞬間を、
深く確かなものとして、大切にしていただけたら——
わたしにとって、それ以上の願いはありません。

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