「感じること」が身体を変えていく
センサーという入口に目を向け始めたとき、
わたしはそれまでの“身体の捉え方”が大きく揺らぐ感覚を覚えました。
硬い筋肉を強く押す
動かない関節をストレッチする
痛みに対してアプローチする
——そういった「外から変えようとする方法」だけではなく、
「内から変わっていく力」を信じることができるようになったのです。
たとえば、ほんの少しだけ触れる。
軽く皮膚に触れただけなのに、呼吸が深まり、重心が変わる選手がいる。
ほんの一瞬の接触で、痛みが和らぎ、動きが滑らかになる場面がある。
それは偶然ではなく、“感じる力”が働いた結果でした。
筋肉や骨格を変えるのではなく、
「感度」そのものを整えることで、身体が動き出す。
この経験を通して、
わたしは“変化”とは「外からの操作」ではなく、
“対話”のなかで起こるものなのだと実感するようになっていきました。
わたしたちの身体は、感じている。
そして、その“感じ”こそが、跳び、走り、支える力の根底にある。
センサーへのアプローチとは、「感度と対話すること」
その視点が、わたしのコンディショニングの軸になっていきました。