Epoch Five®︎から考える体力づくり
|その② 体力を5本柱から捉える

前回の記事では、
体力づくりを「刺激の設計」として考える必要がある、と書きました。

体力をつけるためには、
たしかに刺激が必要です。

走る
跳ぶ
止まる
切り返す
押す
支える
繰り返す

そうした刺激が入ることで、
身体は少しずつ適応していきます。

しかし、刺激を入れれば、
必ず良い変化が起こるわけではありません。

刺激を受け取る身体の条件が整っていなければ、
その刺激は成長ではなく、
疲労や痛みとして積み重なることがあります。

だからこそ、体力づくりを考える時には、
単に「どんなトレーニングをするか」だけでなく、その人の状態を多面的かつ丁寧に、観ていく必要があります。

ここで土台になるのが、
Epoch Five®︎です。


体力づくりを、5本柱から捉える

Epoch Five®︎では、
人の状態を5つの柱から捉えます。

  • 身体
  • 動き
  • 意識
  • 知識

体力づくりも、
この5つの柱から考えることができます。

なぜなら、競技中に発揮される体力は、筋肉や心肺機能だけで決まるものではないからです。

身体の状態
動きの質
意識の向け方
心の安定
知識による理解

これらが重なり合って、
その人の「動き続ける力」「力を出し続ける力」がつくられていきます。

つまり、体力づくりとは、
ただ身体を追い込むことではありません。

身体・動き・意識・心・知識を整えながら、
必要な刺激を入れていくこと。

それが、Epoch Five®︎から考え積み上げていく体力づくりです。


身体から見る体力づくり

まず、身体です。

筋力
筋持久力
心肺機能
柔軟性
関節の状態
疲労の蓄積
痛みや違和感の有無

これらは、体力づくりを考える上で欠かせない要素です。

ただし、身体を鍛えるということは、
単に筋肉を強くすることだけではありません。

呼吸が入ること
姿勢を保てること
関節に無理な負担がかかりすぎないこと
必要な場所に力が入り、不要な場所の力みが抜けること

こうした条件が整っているからこそ、
トレーニングの刺激を受け取りやすくなります。

反対に、身体が防御的に固まっている状態で強い刺激を入れると、
鍛えているつもりでも、さらに力みや痛みを強めてしまうことがあります。

身体から見る体力づくりとは、
ただ強くすることではなく、
刺激を受け取れる身体の条件を整えることでもあります。


動きから見る体力づくり

次に、動きです。

競技に必要な体力は、
単に筋肉量や持久力だけでは決まりません。

どのように立つか
どのように止まるか
どのように切り返すか
どのように跳ぶか
どのように着地するか
どのように次の動きへつなげるか

ここに、動きの質が表れます。

同じ体力を持っていても、
動きに無駄が多ければ、疲れやすくなります。

反対に、身体の使い方が整理されてくると、
同じ運動量でも、疲労の出方が変わることがあります。

たとえば、止まるたびに膝や腰へ負担が集中していれば、
試合後半に動けなくなるのは、単なる体力不足だけではありません。

跳ぶたびに全身が力み、
着地のたびに姿勢が崩れていれば、
どれだけ走り込んでも、競技中の動きは安定しにくくなります。

つまり、体力をつけることと、
動きの質を高めることは切り離せません。

体力づくりとは、
ただ量を増やすことではなく、
動きの質を保ったまま、必要な刺激を積み上げていくことでもあります。


意識から見る体力づくり

三つ目は、意識です。

どこに意識を向けて動いているのか
何を感じながらトレーニングしているのか
疲れてきた時に、どこから崩れていることに気づけるのか

これらは、体力づくりに大きく関わります。

ただ回数をこなすだけでは、
身体の使い方は雑になりやすくなります。

疲れてきた時ほど、
自分の姿勢、呼吸、接地、力み、視野、判断の変化に気づけるかどうか。

ここに、トレーニングの質が出ます。

疲れた時に、ただ苦しいと感じるだけなのか
呼吸が浅くなっていることに気づけるのか
足裏の接地が雑になっていることに気づけるのか
上半身に余計な力が入ってしまっていることに気づけるのか

この差は、とても大きいと感じています。

体力づくりは、
身体だけでなく、
意識の使い方を育てる時間でもあります。


心から見る体力づくり

四つ目は、心です。

体力づくりには、苦しさが伴います。

息が上がる
脚が重くなる
動きが鈍くなる
思ったように身体が動かなくなる

その時に、どのように自分と向き合うか。

ただ我慢するのか
無理に耐えるのか
雑に投げ出すのか
それとも、自分の状態を観察しながら、次の一歩を選ぶのか

ここには、心の働きが関わります。

もちろん、すべてを精神論で片づけるべきではありません。

苦しいのは、心が弱いからではありません
動けないのは、気持ちが足りないからとは限りません

身体の条件が整っていないこともあります。
疲労が蓄積していることもあります。
動きの質が崩れていることもあります。
知識が足りず、自分の状態を理解できていないこともあります。

だからこそ、心を精神論だけで扱わないことが大切です。

苦しい場面で自分を見失わないこと
できないことに落ち込みすぎず、早めに修正へ向かうこと
疲れた中でも、次の行動を選ぼうとすること

これも、競技に必要な体力の一部だと考えます。


知識から見る体力づくり

五つ目は、知識です。

なぜこのトレーニングを行うのか
何を目的にしているのか
どこに効かせたいのか
どこに負担が出やすいのか
どの状態なら続けてよいのか
どの状態なら一度止めるべきなのか

こうした知識があることで、
トレーニングはただの我慢ではなくなります。

知識があると、
自分の身体を観察する目が育ちます。

知識があると、
痛みや違和感を無視しにくくなります。

知識があると、
トレーニングの目的が明確になります。

たとえば、サーキットトレーニング、HIIT、タバタ式、加圧トレーニング、血流制限トレーニング、プライオメトリクス、反復スプリント、スモールサイドゲームなどにも、それぞれ目的や特徴があります。

しかし、方法の名前だけを知っていても、
それを自分の身体にどう使うのかが分からなければ、効果的な体力づくりにはつながりにくくなります。

もちろん、知識だけでは身体は変わりません。

しかし、知識がなければ、自分の状態を正しく捉えることも難しくなります。

だからこそ、体力づくりには知識も必要です。


体力づくりは、5本柱の重なりである

体力づくりは、
身体だけの話ではありません。

身体が整い
動きが整い
意識が向き
心が立て直され
知識によって理解が深まる

その重なりの中で、
体力はただの数値ではなく、
競技中に使える力へと変わっていきます。

だからこそ、Epoch Five®︎から体力づくりを考える意味があります。

体力づくりは、根性論ではありません。
ただ追い込むことでもありません。
最新の方法を真似ることでもありません。

その人の身体に、今どんな刺激が必要なのか。
その刺激を受け取れる条件が整っているのか。
その刺激が、動きの質や競技力につながっているのか。

そこを丁寧に見ていくこと。

それが、わたしの考える体力づくりです。

なお、サーキットトレーニング、HIIT、タバタ式、加圧トレーニング、血流制限トレーニング、プライオメトリクス、反復スプリント、スモールサイドゲームなどの具体的な方法については、別記事で整理していきます。

次回は、体力づくりにおける「整えること」と「鍛えること」について、さらに掘り下げていきます。

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