運動の発展から、プレーの向上へ
「足の向きを揃えて」
「まっすぐ立って」
「身体を起こして」
「骨盤の角度を変えて」
スポーツの現場では、
選手に対して、
さまざまな声かけをします。
こうした声かけに対して、
自分の身体を素早く調整し、
求められた状態へ適切に近づけられる。
この能力があれば、
その先の運動を発展させやすくなり、
プレーの向上にもつながっていきます。
もちろん、
「まっすぐ」や「身体を起こす」
という言葉の受け取り方には、
多少の幅があります。
それでも、
相手の動きや試合展開、
ボールの行方などに比べれば、
自分の身体の位置や向きは、
自らの働きかけによって
変化させられる要素です。
自分の身体が、
今どこにあるのか。
どこを起点として、
どのように動かすのか。
それを捉え、
自ら調整すること。
ここでは、それを
「身体運用」と呼びます。
「もっと一歩目をすばやく」
これも、スポーツ現場では
よく使われる声かけです。
しかし、
一歩目のすばやさは、
身体を直接どこかへ動かす指示ではありません。
さまざまな身体運用の結果として、
現れるものです。
足がどちらを向いているのか。
骨盤がどの位置にあるのか。
身体がどちらへ傾いているのか。
どこから動き始めようとしているのか。
こうした、
自分で調整できる要素が
適切に組み合わさった結果として、
一歩目のすばやさが変わります。
だからこそ、
運動やプレーを発展させる前に、
まず身体運用の基盤を
整える必要があります。
ところが実際には、
言葉の意味は理解していても、
自分の身体を思った位置へ動かせない。
そのような選手は、
決して少なくありません。
足の向きを揃えたつもりでも、
実際には変わっていない。
骨盤を動かそうとしても、
どこが動いているのか分からない。
身体を起こそうとして、
腰を強く反ってしまう。
動きを教える以前に、
自分の身体の位置を捉え、
意図した方向へ変化させること自体が
難しいのです。
この身体運用が
うまくいかないからこそ、
世の中には、身体の使い方に関する
さまざまなアプローチや方法論が
存在しているのだと思います。
身体運用を支える、
3つの基盤。
そのような中で、
Epoch Workshopが
現場を通して重視するようになったのが、
次の3点です。
1.骨盤の位置感覚
2.股関節の位置感覚
3.脊柱の伸長=Elongation
まず、骨盤。
自分の骨盤がどこにあり、
どのように傾いているのかを捉える。
骨盤を一つの決められた位置に
固定するのではなく、
現在の位置を感じ取り、
目的に応じて動かせることが大切です。
次に、股関節。
骨盤と大腿骨の関係から、
股関節の位置や回転中心を捉える。
脚をただ前後左右へ動かすのではなく、
股関節のどこから
大腿骨が動いているのかを
感じられるようにします。
そして、脊柱の伸長。
骨盤と股関節を土台として、
脊柱を上下へ伸長させる。
Elongationは、
腰を反らせたり、
胸を無理に張ったりすることではありません。
頭と足が互いに遠ざかるように、
脊柱を軸方向へ長く保ち、
身体を潰さずに組み立てていくことです。
骨盤を捉える。
股関節から動ける。
脊柱を潰さず、全身を組み立てる。
この3点が整うことで、
自分の身体を意図した位置に置き、
そこから必要な動きをつくる精度が
大きく高まります。
さまざまな方法を、
機能させるための土台。
ストレッチ、
筋力トレーニング、
体幹トレーニング、
モビリティ、
動作練習。
それぞれに必要となる場面があり、
どれかを否定するものではありません。
ただし、
選手自身が身体の位置を捉えられなければ、
そこで得られた変化を、
自分の運動やプレーへつなげることが
難しくなります。
さまざまなアプローチを
枝葉だとするならば、
身体運用の基盤は、
それらを支える根や幹に近い。
枝葉が必要ないということではありません。
根や幹とのつながりがあってこそ、
それぞれの方法が
運動やプレーの中で機能していく。
Epoch Workshopでは、
そのように考えています。
これは、現場から見えてきたもの。
一つの研究結果だけから
導き出した結論ではありません。
選手の身体を確認し、
働きかけ、
もう一度動きを確認する。
さらに、
実際のプレーへつなげて
変化を観る。
その繰り返しの中から見えてきた、
現時点での「現場知」です。
この3点を整えることで、
声かけに対する身体の反応が速くなり、
動きの選択肢が増え、
運動からプレーへの接続が
スムーズになる。
そのような場面を、
現場で繰り返し確認してきました。
身体を整えることを、
ゴールにしない。
身体運用の基盤が整えば、
身体の使い方を修正することばかりに
時間を費やさずに済みます。
相手の動きを読む。
状況を判断する。
味方とタイミングを合わせる。
身につけた技術を、
変化する状況の中で発揮する。
そのような、
より複雑で競技的なプレーの練習に、
しっかりと時間を使えるようになります。
また、
一部の関節や筋肉だけに
負担が偏ることを減らし、
過度な疲労や怪我のリスクを
軽減できる可能性も高まります。
身体運用の基盤を整える。
運動を発展させる。
その先にある、
プレーの向上へつなげていく。
身体の中にある、
「動きの座標」を更新する。
これが、Epoch Workshopの考える
コンディショニングの基盤です。
気づいた人から、変わり始める。
