Diary

【現場から感じたこと─理屈の向こう側にあるもの】

土曜日からの大分〜宮崎での指導および施術を終え、帰路についているところです。

さて…コンディショニングや施術には、明確な理論や理由が存在します。
筋肉のはたらき、神経の流れ、関節の可動性、呼吸や循環といった生理学的な背景……。
そこには、科学的根拠や経験的知見が積み重なっており、決して「なんとなく」では語れないものがあります。

わたしは、そうした“根拠ある考え”を、
言葉を尽くし、身体を使い、手で触れ、声で届け、動きとして表現する。
ときには沈黙さえも使いながら、あらゆる表現手段を用いて伝えることを大切にしています。

それは、「伝える」というよりも、「伝わる」を目指しているからです。


── しかし、それでもなお、
コンディショニングとは理論・理屈・理由だけで語れるものではない…ということを、
現場に立つたびに実感します。

今回も聖心ウルスラ学園女子バスケットボール部の皆さんとの時間のなかで、
深く対話を重ねるとともに、
選手たちの変化――いや、“進化”に立ち会うことができました。

その姿を見ていると、わたしは強く思います。

結局のところ、いま目の前にいるわたしは、これまで歩んできた人生そのものだと。
どんな考えを持ち、どんな人と出会い、どんな経験を積み重ね、何に悩み、何をしてきたか…。
そのすべてが、今この瞬間の“指導”や“施術”という行為に反映されている。

だからこそ、言葉や動作に“温度”が宿るのだと思います。
そして、その温度が誰かの中に届いたとき、
ほんの少しの変化が生まれ、やがて大きな進化へとつながっていく。

知識や技術だけでは生まれない、
「このチームだから」「この人だから」起きる変化
が、たしかにあるのです。

わたしにとってコンディショニングや施術とは、
理屈を超えて、自分自身の“生き様”をぶつける営み
でもあります。

そしてそれを全力で受け止め、応えてくれるチームや選手たちとの時間は、
なによりもかけがえのないものです。

理屈の先にある、“伝わる”という奇跡。

これからも、それを信じて現場に立ち続けたいと思います。

-Diary

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