Diary

情報が溢れるこの時代に

いまや、情報はいくらでも手に入る時代です。

エクササイズにしても、ストレッチにしても、見映えのするトレーナーや芸能人がモデルとなり、無数の動画がSNSにあふれています。
当然、わたし自身もその恩恵を受けてきました。

実際、現場で新しいエクササイズやストレッチを取り入れたとき、

「それ、見たことある」
「昔、やったことある」

そんな反応が返ってくることもあります。

“見たことがある”は、できている証拠にはならない

けれど、わたしはその時、心の中で問いかけます。

「そのとき、本当に自分の身体の状態を確認しただろうか?」
「その動きを通して、意識を深めようとしただろうか?」

情報に囲まれて呆然としている様子のイラスト

おそらく、多くの人は確認などしていない。
ただ“外見”だけをなぞったにすぎないのです。

なぜ、そう言い切れるのか?

たとえば、股関節のエクササイズやストレッチ。
もし動画の通りに「ちゃんと」できていたら、お腹や股関節まわりがこれほどまでに硬くなっているはずがないのです。

現場で触れてみると──

例外なく、みんな硬い。

これは、実際に触れたからこそわかること。
触れなければ見えない世界が、確かにあるのです。

“見た目”を見極める目があるか

いまの時代、情報があふれている一方で──
「見た目だけのエクササイズやトレーニング」を見極める目が、あまりにも育っていないと感じています。

SNSでシェアされている動きの多くは、見た目が美しかったり、筋肉の整ったモデルが行っていたりします。
けれど、それが本当に「効いている」のか、「自分に合っている」のか、そして「感覚が通っている」のか──
それは、まったく別の話です。

表面的な動きや形だけで「これでいい」と納得してしまう人が多いからこそ、
わたしたちは、“見極める眼”と“感じ取る身体”の両方を育てていく必要があるのです。

実際、現場でも──
見た目だけのエクササイズやトレーニングが、そのまま動画に収められ、発信されている場面をたびたび目にします。

もちろん、見方を変えれば──
わたし自身も、そう見えているのかもしれません。

発信する以上、「本質を伝えるつもりが、形だけに映ってしまう」リスクは常にある。
だからこそ、本質を問い続ける姿勢を、どんなに地味でも持ち続けていたいと考えています。

その“問い”を持ち続けるために──
わたしは、

  • やわらかく触れ、身体の変化を感じ取り
  • それを動きに還元し
  • さらに「意識」を高めるために「知識」を備える
  • それらすべてに誠実に取り組む「心」を育てていく

そうした地道な営みを、これからも続けていきたいのです。

時間はかかりますし、地味で、動画にも映らないかもしれません。

しかし…
ここにこそ、本質がある。
わたしは、そのように考えています。

動きは「できている」ように見える。でも…?

「動き」は、やっているように見える。
けれど──

「身体は本当に、しなやかに動いているのか?」
「緊張は抜けているか?」
「そもそも“ちょうどいい”状態とは何か?」

さらには、

「その動きを意識できているか?」
「その意識を支えるだけの知識があるか?」

ここまでを、本気で受け取ろうとしたら──
“心”が育っていないと無理なのです。

そう。まさに、
5本柱──Epoch Five™️の世界観そのものです。

「毎回、新たに」取り組むということ

わたし自身も含めて、このレベルで「きちんとできている」と言える人は、ほとんどいないと感じています。

わたしが言う「きちんと」とは、
ただ「見たことがある」「やったことがある」というレベルではなく、
その瞬間その瞬間を、まっさらな意識で捉え直し、感覚を更新していくことです。

その日、その時、その場で、毎回変わる身体。
だからこそ、毎回、新たな意識で向き合い、新たな感覚を手に入れる。

それこそが、
「生きている」ということなのだと思います。

毎回新たな感覚で向き合う姿勢のイラスト

-Diary

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