先日の現地でのチーム・コンディショニング。
はじめの挨拶直後に、とある選手が
「今日、腰が痛くて…できることをやります」と言ってきました。
チラッと見て、たしかに歩くのも辛そうです。
軽い…いわゆるギックリ腰気味であることも確認しました。
とりあえず了解してスタート。
最初の足へのアプローチの実演でその選手を指名。
「とりあえずここに座って〜。」
「痛くて座れません…。」
「じゃ、ゆっくり寝て。」
「はい、足をこちらに。」
「痛くて上げられません…。」
「いやいや、上げられてるよ。」
そんな不毛なやり取りのあと、その選手の足を調整しつつ、全体へ向けて説明と実演。
「痛みがあるのは分かるけど、半分以上は恐怖とも言えます。座れないと言いつつ座っているし、上がらないと言いながら足は上がっています。今日はリハビリを兼ねて別プログラムに取り組んでもらうけど、おそらく終わる頃にはだいぶ改善していると思います。」ということを、全体の前で本人に伝達。
その後、全体への説明・実演・実践・確認を(当然ながら)メインに行いつつ、並行してその選手へ、胸や肩を中心とした小さな動きから中ぐらいの動きの運動を説明し、少しずつ取り組んでいってもらいました。
すぐに姿勢や歩行の速度が変わり、
「変わってきたじゃない。良い感じだよ。」と言ったものの、その選手は、
「分からない…」と返事します。
このパターンは良くあります。
自身への認識が、追いついていないのだと思います。
わたしはこのような場合、返事を軽く受け流し、どんどん次の課題へ取り組んでもらいます。
なぜなら、こちらはその選手の変化をハッキリ認識できているので、引き続きその選手自身が認識できるまで、こちらが意識を持っていけば良いからです。
結果…。
おわりの挨拶の後、その選手も普通の顔をして後片付けをしていました。
「だいぶ分かったでしょ?言った通り良くなったね。」
「はい!楽になりました!」
「今日行ったことをしばらく続けること。それぞれ、できるときに3分とかで良いから。」
「分かりました!」
最初の不毛なやり取りと違い、納得感のあるやり取りになり、嬉しそうな笑顔も見せてくれました。
何かしらの気づきになったと思います。
そして、早めに元気になってくれることを願います。
