写真は、4年ほど前にスポーツニュースかなにかで流れていたのを、スマホで録画したものからのスクリーンショットです。
スピードスケートの小平奈緒選手の取り組み、そして当時の日本新記録を出されたときの模様です。
いくつかキーワードがありますが…姿勢を低くしていたときより、高くしたときの方がタイムが速かったというわけです(5枚目の写真)。
この動画は、当時よく選手に見せたりしていました。
なぜなら、わたしはコンディショニング指導において「身体を起こしたまま動く」ということを強調することが多々あるからです。
それはもちろん、ずっと直立したまま動くというということではありません。
しかし「身体を起こしたまま動く」ということを通じて、体幹部や股関節の使い方などをはじめとした様々な部分に、多大なるアプローチをすることができるからです。
なお、たかがそれだけのこと…と思われるかもしれませんが、これは実はとてつもない違いです。
ほとんどの選手はなかなかうまくできません。
だからこそ、アイススケートという、1/100や1/1000のタイム差を競うような種目において、違いが出る=記録が出るのだと思います。
小平選手と実際にお話ししたことはありませんが、かなり前から興味を持っていました。
「背骨を1つずつ動かす感覚がある」ということを言っていたということを耳にしたこともあります。
そして、このときの日本新記録のあとに、日本女子スピードスケート史上初のオリンピック金メダルを獲得するなど、数多くの記録を残しています。
さらにいまも、次のオリンピックに向けて現役を続けておられます。
スポーツにおいて、世界のトップに立ったことのある、数少ない日本人選手です。
言わば「Top of the top」の偉大な選手だと思います。
ちなみに小平選手がこの姿勢に辿り着くのに、オランダの元選手(元世界チャンピオン)からの言葉がヒントになったそうです。そういった背景も非常に興味深く感じます。
いずれにしましても、このような選手が垣間見せる姿勢や動作、そして所作から学ぶべきものは、本当に多くあるのではないか?と思います。
もちろん、すぐには出来ません。もしかしたら、ちょっとしたマネですら全く出来ないかもしれません。
だからこそ「Top of the top」ですし、そこに大きなカギが隠されていると考えます。
また、そういったことから自分を見つめ直すことは、動きを高めたり、新たな技術を探る大きなヒントにもなるのではないでしょうか?
多くのバスケットボール指導者の方々からしたら、ほとんど興味のないことだと思います。
いまも昔も、やはり身体を低くして、頭から突っ込むような動きをさせることが主流だと感じます。
つま先がアクセルで、カカトがブレーキだということを、断定的におっしゃるコーチさん達も多いです。
しかし、わたしは「身体を起こしたまま動く」というアプローチを信念を持って行ってきましたし、それによって大きく向上した選手やチームがたくさん存在していることも事実です。
「Top of the top」の選手が言っていること、実行したことからも、低くすることだけが速くなる要素ではないということはハッキリしていると考えます。
また、幼少期からそんなことばかりさせているから、成長してからケガが頻発するのではないか?という問題提起もしておきたいと思います。
引き続き、多方面からの情報も取り入れつつ、丁寧に進めてまいります。







