「パスってどこに出すの?」
10年以上にわたり何千人もの選手たちに尋ねてきました。
いろいろな答えが返ってきます。
「胸に向かって出します」
「場所に出します」
「正確に出そうとます」
どれも正解です。
しかし、本質的ではありません。
これまでに、1回で答えられた選手はほんの少しです。
大人に関して言えば、1人もいません。
わたしが言うことが間違っているのかもしれません。
しかし、これを言うとたいがいの選手は
「あ!そうか…」という顔になります。
「パスってさ、未来に向かって出すんだよ。」
「そうやってチャレンジして、失敗したり、上手くいったりを感じ取って、認識して…だから成長していけるわけだよね。」
以前にも同じようなことを書きましたが…そのパスは、そのパスに限って言えば人生最後のパスです。
そして、そのパスは人生最後のパスですが、その後も人生は続いていきます。
だからこそ、未来に向かって繋がるようにパスを出すほうがbetterだと考えます。
小さく、ゆっくり、スムーズに…これは未来に得る感覚へ向けたパスです。
その鍵がいまの認識ということになります。
本日、目の前にいた選手たち。
聞くこと、話すこと、考えること、感じること…それらすべての成長が完全に止まってしまっていました。
体幹を安定させながら脚を動かす。
小さく肩甲骨を動かす。
しっかり押す。
前に進む…。
身体を動かしながら、認識と感覚へ向けてアプローチしていきました。
当初は、ぎこちなさを全面に出していた選手たちでしたが…、少しずつ元気も笑顔も出てきて、最終的にはしっかりチカラも出してくれました。
確実にコロナの影響はあると思います。
しかし、ほとんどは自らをアップデートしようとしない、もしくはアップデートの仕方を履き違えている大人の責任です。当然わたしの責任も大きいです。
このご時世、こんな話は単なるきれいごと、くだらない、意味がないと言う人が多いと思います。
しかし、大人こそがアホになってもがき、その本気と本音を選手たちにさらけ出すべきだとわたしは考えています。
微力でしかありませんが…丁寧にしっかりとパスを出していこうと思います。
