◎まっすぐ座る-その3
その1では骨盤について、
https://wealth-oak.club/2020/05/24/20200524/
その2では脚と足について探っていきました。
https://wealth-oak.club/2020/05/27/20200527/
動画の冒頭で「1回(姿勢を)崩して良いよ」と言ったあと、選手たちの多くが「は〜」とため息をつくような反応をしています。
・普段、いかに崩れた姿勢を取り続けているか?
・まっすぐ座るのは多くの人にとってなかなか大変
そんなことを示しているのではないでしょうか?
さて、今回の3つの動画では、高校男子新入生の集団に対してなるべく専門用語を使わず、ひとつひとつ伝えながら進めていくかたちを取りました。
言葉と小さな動きを通じて自分自身で姿勢と向き合い、気づきを得てもらうというのが目的となります。
なお、動画は少し短くまとめていますが、全部で20分ぐらいかかりました。
なお、パーソナルセッション的に一人をじっくり見ていく場合は、さらに細かな伝達や修正を行うと思いますので、これで充分ということはまったくありません。
いずれにしましても、こういったアプローチを機に、自分の姿勢へ日々常に(=日常的に)目を向けるようになってもらえればと思っています。
なぜなら、日常が非日常(例えばスポーツをすること)の場面に大きく影響すると考えているからです。
普段の姿勢の崩れによって、身体の使っている部分と使っていない部分がはっきりしてしまいます。
それは硬さや弱さの原因となります。
例えば、いつも背もたれに寄りかかって、お腹も腰も使っていない状態を続ける。それを楽な姿勢だと脳が認識してしまう。
その状態で、スポーツをするときにだけ「姿勢よく!」「体幹をしっかり!」などと言ったところで、できるわけがないのはお分かりいただけると思います。
どう考えても、スポーツをしている時間より、していない時間の方が長いのです。
さらに姿勢の崩れは、気づかないうちに骨盤・脚・足をはじめとして全身に歪みや捻れを引き起こします。
一見パフォーマンスの低下や障害の表面的な原因とは考えられないかもしれませんが、俯瞰的に見たら普段の姿勢の取り方、すなわち日常生活こそが本質的な原因であると言うこともできるのではないでしょうか?
再三申し上げている通り、まっすぐ座っている姿勢のままスポーツをするわけではありません。
様々なスポーツの多くの局面で姿勢を変えてプレイしていきます。
しかし、それは同時に崩れ、捻れ、歪みを伴うということでもあります。
だからこそ、心身をリセットするという観点からしても、まっすぐ座るということは大きな意味があると考えております。
また出会った段階ですでに、膝、足首、腰などを中心にかなりの不具合を抱えている選手がたくさんいます。
そういった選手たちに対して、極端なストレッチや過度なトレーニングを中心にアプローチしていくことは更なる状態の悪化を招きかねません。
わたし自身もそれを実体験しております。
そういった意味からも、まずは小さなことから積み上げていき、習慣化をはかるということが大切だとも思います。
日常を見直す。
非日常は日常の表れである。
指導者的な立場であればこそ、ここをきちんと見据えてアプローチしていくべきだと考えます。
3回に分けて「まっすぐ座る」ということをお伝えしてまいりました。
簡単な一言ですが奥が深く、これほどの言葉を尽くして時間を費やしても足りないということも実感しました。
さらなる進化と深化をテーマに、これからも丁寧に取り組んでまいります。