昨日(2020.05.15)は、高校新入生男子バスケットボール部のWEBコンディショニングでした。
まず
「感覚=身体・動き・意識」
そして、それらを
「認識し、記憶する」
ところまでいくと一流と呼べるという考えを共有。
そのあとは
「まっすぐ座る」
ことを探っていきました。
なぜまっすぐ座るべきなのか?
そもそも座っているときのまっすぐとはどの辺りなのか?
そういったところから話を進めました。
骨盤、脚と足、肩、首、脊柱…。
これらについてをできるだけ専門用語を使わずに説明していきました。
選手たちには、それを聞いて少しずつ動かしながら位置や向きを探り、頭と身体で姿勢を探ってもらいました。
「身体・動き・意識」です。
そして、選手たちに伝えたことはこういうことです。
「日常の心と身体の姿勢がプレイに出る」
「立つ、座る、歩く、寝るといった当たり前の姿勢や状態を感じ取れないで、細かいプレイの向上や修正なんてできるわけない」
ただし、まっすぐ座っているときの姿勢が、スポーツのプレイ場面で、必ずしも適切というわけではありません。
プレイにおいては、多くの場面で姿勢が崩れます。
しかし、特定のスポーツを専門的にするということは、多くの場合身体に歪みやズレを生じさせます。そしてそれらが不具合を起こし、動きの悪さやケガにつながってしまうことは言うまでもありません。
そういった歪みやズレをできるだけ自分で把握して修正していくというのも、スポーツ選手にはかなり必要な要素です(スポーツうんぬんではなく、すべての人に必要かとも思います)。
その観点からいくと「まっすぐ」を感じ取る、感じ取ろうとするというのは、とても大事なことだと考えています。
その証として、多くの選手(わたしもそうですが)は「まっすぐ座る」と非常にきつさや疲労を感じるのです。
股関節、腰、背中、太もも、足首…色んなところにきつさが出てきます。
ここで、いかに普段の自分が歪み、そしてズレているのか?という事実と出会います。
「一旦緩めていいよ〜」と言うと、
「ふぅ〜〜〜」と言いながら脚を開き、背中を丸め背もたれに寄りかかります。
「きつ〜〜〜!」と顔をしかめる選手もいます。
「さっきの姿勢と比べるとだいぶ違うでしょ?座ったときに、いかにいつも姿勢が丸まっちゃってるかということ。使えなくなってしまっているところがたくさんあるということでもあるね。骨盤の向きの違いもわかるでしょ?」と問いかけると、
「たしかに…」といった返事が返ってきました。
このようなやり取りから、
「まっすぐ座ることは、感覚(=身体・動き・意識)づくりのトレーニングになる」
と言えるのではないでしょうか?
なお、普段は継続的なセッションを通じ、学びという部分も含めて選手たちと共通言語を増やしていきます。つまり、身体や動きについての専門用語を説明とともに使用し、選手たちに覚えていってもらうということです。
しかし今回は、上記の通り、できるだけ専門用語を使わずにどこまで伝えられるか?ということを中心に進めてみました。
当然のこととして、画面の向こうの選手たちは言葉の理解度も含めてそれぞれみんな違います。
それらをなんとか1度に全員へ伝えようというチャレンジです。
現実はかなりの言葉を尽くさなければなりませんし、時間もかかりました。
さらに、個人個人さらなる修正も必要ではありますが、全体として見れば「まっすぐ座る」姿勢について感覚を持ってもらう、思いを向けてもらうことはできたと感じました。
このように制限やテーマを持って取り組んでみると、わたし自身とても考えることになり、自分と向き合うことにもなります。
そこから出てきたアイデアや言葉は、選手たちへの伝達内容のアップデートにつながります。
お互いに進歩できるのです。
そのため、できるだけ毎回、このように何かしら制限やテーマを持ったアプローチを重ねています。
このあとは、
◎全身のエクササイズ
◎トレーニング
◎止まる姿勢
◎動きだし
◎すばやいオープンステップ
という流れで進めました。
最初に時間をかけた姿勢づくりと感覚づくりが、あとの流れのなかに必ず必要となってきます。
そのことを理解した選手たちも多くいたと感じました。
新入生の彼らとは、WEBを通してでしか会っていませんが、だいぶ進化してきたと思います。
学校がはじまり体育館で練習するときに、少しでもいい状態と感覚でコートに立てるよう、引き続き後押しをしていこうと思います。
