「はーい!じゃ、2人組くんで〜!」
最初は、え!?なに??という顔をしますが、すぐに意図を掴んでお互いに声をかけ合いはじめます。
もちろん誰が何を言っているのか分からなくなりバタバタしますが、それもまた面白くていいわけです。
「チャット機能もあるよ〜」
と伝えると、それもすぐに使い始めます。
「2人組ができたら、いまの動きをお互いに見ながら、場合によっては修正したりしながらやってください。10回5セットね!」
WEBコンディショニングでの一場面です。
(先日も書きましたが)WEBで講座や講習などをしている方々のおそらくほとんどが行っていないであろうこと。
それは、参加者同士での細かいコミュニケーション。
もちろんオンライン飲み会などでは当たり前に行われています。
それを講座や講習などできちんと行う。
こちらから提示したものを、それぞれが練習などしたうえで、参加者同士で確認し承認や修正をしていく。
こうすると、選手たちは積極的に自分の言葉を発しはじめます。
お互いに
「あー、それ良いね!グッド、グッド!👍」
「それ、もうちょっと身体倒して!」
「脚の位置が違う!」
そんなことを伝え合います。
その時、わたしは基本的に口を出しません。
合ってる合ってないが問題ではないですし、おおむね正しいことを言っています(もちろんそうなるように、こちらは必死に伝えてきています)。
それに彼らのやり取りを聞いていると、こちらが教えられることも多いのです。
当初の内容や回数などを聞き逃す選手も必ずいますので、そういうときは口を出します(現場と同じで、何回言っても聞けない人は聞けません…😅)。
最近は、このように伝達者(わたし)と参加者(選手)の双方向だけではなく、参加者同士の双方向(このときには伝達者と参加者が新たにできるということです)の関係=3方向の関係を作りながら進めています。
ある場面で伝達者(わたし)が参加者(選手の誰か)と入れ替わる方法もありますが、そうするとなかなかうまくいかなくなることも多いと思います。
「急にみんなの前で話せと言われても…」という感じです。それは大人でも若者でも同じ状態になりがちです。
そこで、こうやって小さなコミュニティにすると、活発に意見を言い合いはじめるのです。
なお、現実の現場でも同じですし、同じことをしています。
つまりWEBでもできるわけです。
さらに言えばWEBだから、もっとよく考えて工夫して伝えますし、カメラ写りまでを考えて見せるようになります。
「この環境だからこそ、相手の立場をよく分かろうとしてください。」
そんなことを選手に伝えていますが、それを聞くだけではなく、実際にその立場になってみる…そうするとよくわかると思いますし、良い経験にもなると思います。
これからこういう場(WEB授業など)が確実に増えていきますので、WEBコンディショニングで共に取り組んでいる選手たちには、少しでも多くの経験をしてほしいという思いからの考動でもあります。
WEB講座などでは、まずは教師側、講師側、インストラクター側が主役になります。
「この環境でも教えてあげるよ」という意識で取り組むわけですから、まずはこちらの話を聞けという意識が表に出ることになります。
パーソナルレッスン、これから増えるであろうオンライン診療、すでに始まっているオンライン塾など…では、インストラクター、治療家、医師、講師と参加者は1対1の関係で充分だと思います。
ただ、わたしの場合は多人数での継続的なセッションがメインで、またあくまで主役は選手という意識が強いため、なんとかそういった空気になるように工夫を重ねながら進めていこうとしています。
落ち着いて聞いて
感覚をゆっくり小さく探りつつ
じっくり取り組み
気合入れて踏ん張って
息を切らせて汗をかいて
自分の思いを外に発して
最後は思い切り声を出す
すべての感覚をWEBコンディショニングで出す。
だから、やはりそれなりに時間(最近は3時間超)はかかります。
その貴重な時間を使って、現場での取り組みを上回るような空気を作る。
選手が元気になって終わる。
選手もわたしも、自分の「いま」に誇りを持てるように。
これもまた「どこまでイメージして伝えるのか?」です。
そうあるように、引き続き丁寧に進めてまいります。