Diary

中学生と感覚探し

先日の中学生バスケットボール部コンディショニング。
午前中男子、午後女子。

男子の快活さがとてもいい感じになっています。

導入の話のなかで、
「今日は最終的にはディフェンスの動きを確認したいと思います。ディフェンスにおいては、すばやい反応が必要になります。そのためにはどこを使いますか?」という質問に対し、
「この辺…」と言いながら、自分のお腹の下の方や腰の下の方を触る選手たち。
「そうですね。その辺。分かってますね。グッド!今日はまずその辺のところを少し明確化していきましょう。」ということでスタート。

一般的な中学生男子です。大人よりよっぽど分かってきていますね。

その後は、呼吸~仙骨のところの小さな動きの確認と進んでいきます。
その途中でもまた、
「場所、教えてください。」
「冨樫さんの仙骨触らせてください。」
と言いながら列ができます。
その前に、
「全員並ぶとか無しね!」と言ったにも関わらず、結局ほとんど全員が並んでいました笑
ま、いっか…と。
きちんと反応が返ってきます。
こうなると、もうこの時点で心身に変化が出ていることは言うまでもありません。

もう一度言います。一般的な中学生男子です。大人よりよっぽどコミュニケーションが取れています。

次に確認したペルビック・カールも余計な力を使わずにきちんとできる選手が増えていきます。
違いが分かる男…になっていきます笑

エクササイズを一通り確認し、いよいよ実施しました。
「フット・スライド」
(勝手ながらこういう呼び名にしようと思います)
伊勢市の御薗治療院の中村先生からご教示いただいたものです。

その内容は
足の裏を床につけたままスライドさせる。
キレイにゆっくり小さく動かす。
これだけです笑
なお、前にも書きましたが、おそらく最初から正確にできる人はほとんどいないと思います。
わたしなんかも、中村先生にこっちに動かしてと言われたときに、1mmも動かせないところがありました笑

たったこれだけのことに、動いていないところへの気づき、使い方の確認、実践による筋力アップというとてつもないものが含まれています。

これをチームとしてどうやって取り組んでみるか?
全員、状態も、理解度も違います。
そこで今回はこのように実施してみました。
①片足立ちをしながらパートナーにあちこちから軽く押してもらう
②踏ん張りにくかった方を最初の実施足にする
(イスに座る)
③ゆっくり左右に動かす
④ゆっくり前後に動かす
⑤外まわりで膝を極力動かさずに円を描く
⑥内回りで膝を極力動かさずに円を描く
⑦膝を極力動かさずに8の字を描く

もちろん、進めながらあれこれ投げかけていきます。

「動かしにくいほうがある?それは分かる?」
「あるとしたら、そっち側の動きや安定性が悪い、弱いということ。」
「悪くて弱いほうに足を持っていかれると身体中に力が入っちゃう。ほかのところで頑張っちゃうということね。」
「そんなことばかりしてたらバランス壊れるし、怪我する可能性も上がるよね。」
「ゆっくり小さく…すごい色んなとこ使うよね?」
「一瞬だけ最初に動き出すところはどこ?(ここが最大のポイントだとわたしは考えています)」

そんなマニアックな話を「ああ~、たしかにそうだ」とうなずきながら聞く選手たち。

「いや~、これつかれる!」
「あ~!動かなくてイライラする!!笑」
そんなことを口ぐちに言いながら取り組んでいきました。

その後、片足立ちを確認。
「どんな感じ?」という問いに対し、
「うわ、全然違う!」
「安定感が上がってる、すごい!」といった声があちこちから上がりました。

みんなでイスに座って足を小さく動かして、そのあとニコニコしてる中学生。
かなり不思議な光景です。ただ、多くの選手が変わったことを実感できたようでした。

ここまででだいぶ時間が長くなってしまったので、実際のディフェンスの動きについての練習は少なくなってしまいました。
しかし、ここまで感覚が整うと、実際の反応も動きもすぐにイメージが出てきます。

見本にできるようなスムーズでクイックな動きをしてくれる選手も、パパッと何人か出てきました。
「いや~、タイムリーです。いまのうちに必要な動きと練習でした!」
監督がそのように感想を言ってくれました。
こういったことをヒントにして、練りこんでいく。それこそが練習。
普段につながると感じました。
良かったです。

「ありがとうございました!」と笑顔で言う選手たち。
「おお~!大会がんばれよ!」と答えて終了しました。

さまざまな動作をするときに一瞬早く反応するところがあります(という感覚をわたしは持っています)。
下腹部の奥のほうだったり、みぞおちとおへその間の奥の方だったり…。
その動きや力の発生源を整え、できるだけ明確化する。
それを実際の接地面である足に伝えられるようにする。
わたしとしては、運動の根幹だと考えます。
何とかエクササイズだったり、何とか法、何とかシステムではありません。

目の前にいる選手たちの表情や動きを見ながら、丁寧に一緒に取り組んでいく。
触ったり触られたりしながら。

わたしなりではありますが、そうすることで、これだけ大きな変化があります(文章や動画では絶対に伝わりません…)。

そして、、それを積み重ねていくと、
「やっぱりなんだかんだうちの選手たち動けるんですよね。で、周りからは、良いですね~、先生のとこは。動ける子たちがたくさんいて…と言われるんです。でも違うんですよね。やってることやってきたからなんですよね。」
なんていう話をお聞かせいただけます。

こんな割の悪い、ちっとも儲からないことを仕事としていて、何よりの報酬であり、ありがたい評価です。少しだけホッとします。

多くの場合、最初からうまく動けるわけではない。
ただ、おそらくどの人にも無限の可能性がある。
できるだけ多くの人がその可能性に気づき、自分で工夫していけるようにするには、やはり奥深くというか一番の土台にアプローチしていくことだと思います。
その土台が広くぶ厚くなれば、可能性を拡げられる人が増えるのではないでしょうか?

その後押しをしていけるように学び続けなければと思います。

ここまで書いて、フット・スライドと呼吸、仙骨の動きを合わせれば良いな…とひらめきました。
選手たちの普段の取り組みに落とし込むには、できるだけ短時間になるようにしないといけません。
明日はその感じでやってみたいと思います。

それでは、おつかれさまでした。
つぶれている虹花さんを見ながら焼酎でも飲もうと思います。

-Diary

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