先日の宇都宮。
高校生男子バスケットボール部。
いよいよウインターカップ予選大会が近づいてきました。
本当にあっという間です。
大会前としては最後のコンディショニング講習でした(あんまり講習という呼び方も好きではないのですが、仕方なくそう呼びます)。
定期テスト最終日ということで眠かったりした選手もいたと思いますが、
「そんなに長い時間やるつもりはありません。ただ、明日から大会までしっかり動いていけるように、集中していきましょう!」と伝えて始めました。
流れとしては、
・ストレッチ(動いてないところ、使えてないところへの気づき)
・エクササイズ(小さなところ深いところを意識して動きを掴んでいく)
・ウエイトトレーニング(プレーに必要なスムーズさとクイックネスを念頭に、力強さを上げていく)
・パフォーマンス(実際のプレーの動きを確認)
というものです。
見ていて思ったのは、2~3年生の選手の多くが、かなり認識を深めてきたな~ということです。
例えば昨日のなかでは、
・骨盤の動きよりも先に起こる(とわたしは考えています)仙骨周りの多裂筋の小さな動きを、呼吸しながら手で触れて認識していく(もちろん、ただ呼吸しているだけではなく、やり方があります)
・認識したその辺り(仙骨やら、下腹部の奥やら…いわゆる丹田の一つと考えています)に力を入れる
・そこを使いながらペルビック・カール(別名ヒップリフトなど…)を行い、ある程度の高さまではお尻などを固めない
といったことをエクササイズの一部として実施しました(こんなこと書いても絶対分かりませんね。すみません)。
「やっぱりここ一番重要だね。でも一番つまらないんだよな~。」
なんて声をかけながら、少し時間を長めに取って取り組んでいきます。
もちろん飽きてきちゃう選手もいます。1人1人手ほどきしたいのですが、30名以上いますのでなかなかそうもいきません。
そんななか、ある3年生が(ポジションはポイントガード。チームの要である本当に素晴らしい選手です)、
「冨樫さん、ちょっと確認してもらって良いですか?」と言ってきました。
「お?そうか…ここで聞きに来るようになったか…。それは進歩だな~。」と心の中で思いながら、彼を触りながら確認していきます。
結果としては、きちんとできていました。分かっていました。良し良し…です。
高校生だったりすると、彼らのようなレベルの選手の多くは、あまり細かい感覚の確認とかは好きでないように思います。なぜなら、バスケットボールをすれば大抵のことはできてしまうからです。要するに、そんなには困ってないわけです。
やはり人間は、困ってないときには細かな努力をしないものです。
ただ、彼は今後のキャリアも見据えているのでしょう。鹿児島インターハイでの悔しさもあるのでしょう。
入学時からここまでを考えると、感覚もプレーも大きく成長させてきたと思います。
会話の内容も1年生のときとは別人です(当たり前と言えば当たり前ですが)。
その後も確認していくと、できる選手が増えていきます。
そんな彼らに、
「昔、I先生が、ここまで上げて硬くならないわたしのお尻を触りながら、え?なんで?どうなってんの!?と言ってたんだよ。あの時は、たしかほとんどの選手ができなかった。いまこれだけできるようになった。I先生にも見せてあげたかったな~。いや~、すごいね。立派です。嬉しくて鳥肌立った!」
と伝えました。
彼らは「見たか、冨樫!」といった感じでニンマリしながら聞いていました。
何より、そのやり取り、つまり彼らが認識を高めた瞬間を、現監督であるY先生にも見てもらえたのが良かったと思いました。
そういえば、昨年のウインターカップ予選前にも似たようなことがありました。
今回とは違うアプローチ、違う種目なれど、本質の部分が同じです。
それを見て「良くなった。大丈夫だ…。」とわたしは確信を持てたのでした。
その後、チームは県大会を優勝しウインターカップに駒を進めました。
その時のことがバーッと思い出されました。
その後はウエイトトレーニング。
そして、サイド・ステップとバック・ステップの動きを構築してから、オールコートでの1on1といったかたちで実施。
全体として非常に良くなっていました。良い場面を多く見ることができました。
Y監督とも確認し合えました。
やはり、身体への認識と細かな操作能力が上がると、動きは変わるのです。
例え理屈として理解できていなくても、変わります。
選手たちの実際の動きと表情が何よりの証明です。
競技の練習だけをしているより効果が高いとわたしは考えています。
そんなこんなで気がつけば19時(13時過ぎに開始)。数えれば56種目実施…フルコース…笑
おい!長くやるつもりないって言ったくせに…です。面目ない。
今年も同じようにいける…なんてことではありません。同じわけがありません。
今年は今年です。
今の選手たちが、自ら切り拓いて獲得するものです。
ただ、常に探りながら、そして仲間と対話しながら取り組む彼らを見て、獲得するための下地は相当ぶ厚くなったと自信を持てる状態になりました。
他にも色々なエピソードがありましたが、それはまた別の機会に。
あまりに突然いなくなってしまったI先生の後を受けて、チームを引っ張っているY監督。
生活が一変してしまったであろうに、平然とチームのために動いていらっしゃる顧問の先生方。
必死に選手たちを支えておられるご家族の皆様。
そんな方たちが笑顔で終わる大会になってほしいと思います。
そして、どうか大きな怪我なくいってほしいと祈っています。
がんばれ!がんばれ!

